土佐遊湯連(とさゆうゆれん)

温泉地での効果を100%ものにする方法 ~温泉の選び方、上手な入り方~

(内田脳神経外科理事長 内田泰史)

健康づくりのための温泉旅行の効果

温泉に出かけて心身の調子が整うのは、さまざまな要因が複合的に作用

・温泉そのものの効果(「薬効」)

・環境の変化で心身がリフレッシュ(「転地効果」)

・バランスのとれた栄養と滋養の補給(地元の名物料理や旬の食材)

・温泉神社や薬師寺へのお参り、遊歩道、テニス、プール、名所旧跡巡りや自然探索でのウォーキング、水中運動(「運動効果」)

何泊なら効果が期待できるか

温泉地でのメリットを100%ものにするには4泊5日程欲しいところですが、温泉+エネルギー控えめにした旬の食材+適度な運動を実行すれば2泊3日でも十分に生活の質が向上します。

逆に、余り長くても、その環境に慣れ転地効果はなくなります。

湯治は長くても3週間まで。

上手な温泉の入り方

【温泉で気をつけること】

空腹時や食直後、お酒をたくさん飲んだ後、スポーツをした直後の入浴は控えるのが原則

【入り方のコツ】

★かけ湯を念入りに
湯船に入る前に、汚れを流してからという意味もりますが、温泉の湯温に体を慣らすためという理由もあります。

足から腰、指先から方と徐々に心臓に近づけてかけていきます。

★温泉につかる時間は汗ばむ程度に
できるだけ湯口から離れた所から入り、まずは半身浴。時間は3~5分。

汗ばんできたら湯から出て、少し休んでまた入る。

入湯は3回が限度。

★上がり湯はしない
鉱物成分と皮脂がくっつき皮膚に薄い膜を作ります。

これが保温効果をもたらします。

★水分を補給して休む
入浴前後は水分の補給を忘れずに。

また、入浴中はエネルギーが消費されますし、血圧も変動します。

入浴後少なくとも、30分はゆっくり休みましょう。

★運動は家庭のお風呂でも応用できる
体が温まってきたら軽く手足や肩、腰などを動かしてみましょう。

浮力で体が軽くなり、痛みのある人でも楽に動かせます。

体を動かすことで、乳酸(疲労物質)や老廃物が早く尿になって排泄され、新しい血液が流れるようになります。

★「飲泉」にはこんな効果がある
含鉄泉は鉄欠乏性貧血に効果(食後すぐ飲む)、胃の症状には重曹泉や重曹を含んだ食塩泉(食前30分~1時間)。

硫酸塩泉、食塩泉、炭酸泉、硫黄泉などは便秘に効果。

飲む量は100~200ml/1回で1日2回が原則。

ゆっくりかみしめるように飲みましょう。

ただし、飲泉専用の指定の設備を使用しましょう。


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